FUJIFILM X-T50 レビュー

富士フイルムのミラーレスカメラ、近年は価格が高くりなかなか手が出しにくい状況になっていますが、FUJIFILM X-T50はまだリーズナブル(なのか?!)で購入しやすいかもしれません。

X-T50はざっくり言うと上位モデルのX-T5の小型カメラで4020万画素のAPS-Cセンサーを搭載したレンズ交換型のミラーレスカメラでAPS-Cらしい軽量で機動性に優れたモデルです。

ということで、FUJIFILM X-T50のレビューをしました。実際に使って感じたメリット、デメリットも書いてるので参考にしてください。

FUJIFILM X-T50のメリット
  • 小型軽量で扱いやすいカメラ
  • チルト液晶 + EVFを搭載している
  • フィルムシミュレーション専用ダイヤルを搭載
  • 20種類のフィルムシミュレーションを搭載
  • デジタルテレコンでズームできる
  • 最大6.2K(29.97p)の撮影に対応
  • 50〜360Mbpsのビットレート設定が可能
  • ポップアップ式のストロボを内蔵
  • 被写体検出AFに対応している
  • SDカード(UHS-II)に対応した
FUJIFILM X-T50のデメリット
  • メカニカルシャッターが1/4000秒まで
  • 高画素センサーで保存容量が大きくなりがち
  • チルト液晶で動画撮影はしにくい
  • バッテリーの減りは少し速め
  • シルバーの塗装が剥げやすい(剥げた)

FUJIFILM X-T50の特徴

FUJIFILM X-T50
FUJIFILM X-T50 スペック
  • 撮像素子:23.5 × 15.7 mm(APS-Cサイズ)
  • 有効画素数:約4,020画素 X-Trans CMOS 5 HRセンサー 
  • センサークリーニング:圧電素子による超音波方式
  • 画像処理エンジン:X-Processor 5
  • メカニカルシャッター:30秒〜1/4000秒
  • 電子シャッター:30秒〜1/180000秒
  • 撮影感度:ISO125〜12800(拡張:ISO25600)
  • 測光方式:TTL256分割測光(マルチスポット アベレージ中央重点)
  • 露出補正:-5.0EV~+5.0EV 1/3EVステップ
  • 手ぶれ補正:センサーシフト方式5軸補正(7.0段)
  • 動画:6.2K(29.97p)、4K(59.94p)、FHD(59.94p/240p)
  • 記録メディア:SDカード(最大2TB)UHS-II、クラスV90
  • モニター:3.0型チルト式タッチパネル付きTFTカラー液晶
  • EVF:0.39型有機ELファインダー(236万ドット)
  • 通信:Wi-Fi 5、Bluetooth 4.2
  • 端子:USB Type-C(3.2 Gen2x1)、HDMI(Type D)、ø3.5mmステレオミニジャック、ホットシュー
  • バッテリー:NP-W126S(最大約390枚)
  • サイズ:123.8 × 84 × 48.8 mm(最薄部 34.2mm)
  • 重量:389 g(バッテリー、カード含む:438 g)
  • 端末価格:246,400円(実売:217,000円)
  • 発売日:2024年6月28日(金)

X-T50は4,020画素のAPS-Cセンサーを搭載した小型サイズのミラーレスカメラで片手サイズでコンパクトにカメラを楽しめるモデルです。 

FUJIFILM X-T50 + XF33mmF1.4 R LM WR

この大きさで上位モデルのX-T5と同じイメージセンサーを搭載してるんですよね。さらにセンサーシフト方式の手ぶれ補正も入ってるので暗所でもブレにくく撮影もしやすい、そんなカメラとなっています。

カメラの大きさがX-T5よりも小さくて軽いことで持ち運びに適しており旅行に持っていったり、家族の写真を気軽に撮影するのに最適なカメラとなっています。子どもいたりするとほんと大きなカメラを持ち出すのはキツいですがX -T50くらいの大きさならまだ頑張れるはず。

X-T50

もちろん、X-T50は小型版なのでX-T5よりも機能が少なかったりしますが普通に使うなら問題ないスペック、むしろ十分すぎるスペックはあるので普通に撮影できます。

富士フイルムのミラーレスカメラといえば「フィルムシミュレーション」ですが、X-T50はカメラ左側に専用ダイヤルを搭載しています。

X-T50 フィルムシミュレーションダイヤル

ダイヤルを回してフィルムシミュレーションを変更できるのでアクティブに写真の雰囲気を変えて撮影できるのは気軽でいいですよね。色々と試したくなります。

FUJIFILM X-T50 レビュー

丸みのあるクラシカルスタイル

X-T50は富士フイルムらしいクラシカルなデザインを継承していますが、X-T50は全体的にフラットでありながらなだらかに丸みのあるスタイルのカメラです。

両サイドにかけて丸くデザインされてるので持った時に手に馴染む、フィット感のある感じですね。

コンパクトでありながら手に馴染む、そんな持ち心地のカメラです。というか、X-T50(シルバー)いいですよね。クラシカルな見た目でありながらも今っぽさもある。

カメラの設定はカメラ右側にある「MENUボタン」「Qボタン」「ジョグスティック」などで操作することになります。カメラ左側に「DRIVE」モードの設定ができるボタンがあります。(写真削除ボタンと兼用)

カメラ右側にシャッタースピードダイヤル、露出調整ダイヤル、シャッターボタンを搭載しています。「AUTO」レバーを矢印の方向にスイッチすることで完全オートで撮影も可能となっています。

シャッターボタンのある部分の前面にフロントコマンドボタンを搭載して流ので人差し指でシャッタースピードや露出の調整を素早く設定できるようになっています。

カメラ前面左下にフォーカスモード切換レバーがあってシングルAF(AF-S)、コンティニュアスAF(AF-C)、マニュアルフォーカスに撮影しながら切り替えできます。

外部ストロボもしっかり使えます。ホットシューカバーはないので別途用意してもいいかもしれませね。

ちなみに、ストロボ内蔵してるので本当に真っ暗闇の状況下においても撮影ができるのはX-T50ならではです。(X-T5は搭載していない)

ポート類はカメラ左側のカバー内に収められています。

X-T50 ポート類

USB Type-C(3.2 Gen2x1)、HDMI(Type D)、ø3.5mmステレオミニジャックが使えます。外部モニターへの出力はHDMIポートを使ってするスタイルとなります。

SDカードスロットはバッテリーと兼用です。

規格は高速タイプのUHS-IIに対応しています。先代のX-T30 / T30 IIはUHS-Iだったのでコレは嬉しい進化ですね。大容量の動画データも素早く移動できます。

バッテリーパックはNP-W126Sです。

これはずっと同じままですね。ノーマルモードで最大390枚の撮影が可能です。ちょっと撮影するくらいなら全く問題ないですが、BKT撮影で違うフィルムシミュレーションを3つ設定して撮影してるとまあまあバッテリー減ります。もし、撮影枚数が多くなるなら予備のバッテリーパックは持っておいた方がいいかもです。

チルト液晶を搭載

X-T50はチルト液晶を搭載しています。X-T5はバリアングル液晶だったので兄弟機ですが撮影スタイルはだいぶ異なりそう。

下アングルの撮影はX-T50のチルト液晶の方が扱いやすいです。

単純に写真しか撮影しないならX-T50の方が撮影しやすく、動画撮影もすることが多いならX-T5の方を選ぶ感じでしょうか。バッテリーパックの容量もX-T5は大きいので動画撮影に適しています。

EVFを搭載している

X-T50はEVF(0.39型有機ELファインダー)を搭載しています。解像度は236万ドットで高精細ではないですが自然なファインダー表示が可能となっています。

X-T50はコンパクトなサイズでありながらも光軸線上にEVFがあるのでファンダー撮影しやすいメリットがあります。より小ささを求めるならX-E5ですが撮影のしやすさも妥協したくないならX-T50がおすすめです。

小型軽量で持ちやすい

X-T50のサイズは 123.8 × 84 × 48.8 mm(最薄部 34.2mm)で片手に収まるほどの大きさで重量も 438 g(バッテリー、カード含む)と軽量です。

横幅と高さだけならiPhone 16 Proとほぼ同じ大きさ!

レンズ装着して使うので実際は大きくなりますが、ミラーレスカメラにしては小型で扱いやすいのは間違いないでしょう。XF33mmF1.4 R LM WR(360g)と組み合わせるとコレくらいのサイズ感です。

トータル重量は 約800g ですね。軽い!!(よね?)

小さいカメラはグリップが小さくて撮影しにくかったりしますが、X-T50は右側に大きめのグリップが形成されてるので意外と撮影しやすい。左手でカメラを支えなくても片手でサクッと撮影もできます。

X-T50とXF16-55mmF2.8 R LM WR II(410g)の組み合わせだとこんな感じです。

初代XF16-55mmF2.8 R LM WRは大きくて重いレンズでバランスがかなり悪かったのが、新しくなったII型とX-T50との組み合わせはアリですね。トータル重量は 約850g と軽いです(ですよね?)。ちなみに、X-T5だと(約970g)です。これでも軽い方ですね。

シャッター音はいつもの富士フイルム

X-T50のメカニカルのシャッター音はいつものミドル価格帯の富士フイルムのカメラと同じです。

上位のX-T5はもう少し静かで柔らかい高級感あるシャッター音となっています。シャッタースピードも1/4000秒までと差別化されていて太陽下の撮影で露出オーバーすることが多くなります。(絞ればいいわけですが)

ただ、電子シャッターは1/180000秒まで対応してるのでとくに問題はないんです。シャッター音が電子音に変わるだけです。(厳密にいうと動体歪みなど違いあるけど普通に撮影してる限り問題ないです)

デジタルテレコンが使える

X-T50は約4,020画素 X-Trans CMOS 5 HRセンサーを搭載しています。いわゆる高画素センサーです。高画素センサーのおかげで中央部分を切り抜いて撮影するデジタルテレコンを使えます。

光学ズームができない単焦点レンズでデジタルテレコンを使ってズーム撮影ができるのです。富士フイルムのXシリーズでは40MP高画素機のみデジタルテレコンが使える仕様となっています。

XF33mmF1.4 R LM WRで普通に撮影するとこれくらいの画角なのが…

1.4xのデジタルテレコンにするとこうなります。

さらに、2.0xでコレだけ寄って撮影ができます。

中央部分を切り抜きして処理してるので周辺部分の味のあるレンズの表現を犠牲にしてることになりますがズームレンズは大きくて重いから単焦点を使いたい場合もデジタルテレコンでズームレンズっぽい感じで使えます。

シャッターボタンの隣にあるボタンにデジタルテレコンの機能を割り当てしておくと撮影中に手元で1倍、1.4倍、2.0倍の画角切り替えができるので便利です。

X-T50 作例

FUJIFILM X-T50でどんな写真撮影ができるのか見ていきます。

XF33mmF1.4 R LM WRとの組み合わせです。フィルムシミュレーションは(PROVIA/スタンダード)です。

XF16-55mmF2.8 R LM WR IIとの組み合わせです。

いいですね。PROVIA / スタンダードですがとても良い色です。幅広く使えるフィルムシミュレーションなので使いやすいです。

また、HDR撮影のダイナミックレンジを800%に設定するとスマホのように白トビと黒潰れを抑えた撮影も可能です。

X-T50は他にもフィルムの粒子を再現できる「グレイン・エフェクト」、特定の色を強調する「カラークローム・エフェクト」など様々な機能を合わせて使えます。どう自分好みの雰囲気の写真に仕上げるかはあなた次第…ということになります。

フィルムシミュレーションをダイヤルで切り替え

X-T50はフィルムシミュレーション専用のダイヤルを搭載しています。

直感的にフィルムシミュレーションを変えられるのはいいですね。いつもどのモードにして撮影するか迷いますがダイヤルが搭載されたことで気軽に試すことができます。

対応しているフィルムシミュレーションは以下のとおりです。

フィルムシミュレーション
  • PROVIA/スタンダード
  • Velvia/ビビッド
  • ASTIA/ソフト
  • クラシッククローム
  • REALA ACE
  • PRO Neg.Hi
  • PRO Neg.Std
  • クラシックネガ
  • ノスタルジックネガ
  • ETERNA/シネマ
  • ETERNAブリーチバイパス
  • ACROS
  • モノクロ
  • セピア

REALA ACEはX-T50から追加されたフィルムシミュレーションでアップデートでX-T5、X-H2、X-H2Sなども対応しています。よく使ってるのはやはり「PROVIA」です。王道です。続いて「ASTIA」「クラシッククローム」なども使用頻度高めですね。

また、ノスタルジックネガも比較的新しめの色で淡い雰囲気ある撮影ができるので個人的に結構使っています。

ACROS、モノクロはGフィルター以外にもSTD、Ye、R、も選択できます。微妙に白黒の雰囲気が変わってきます。

FUJIFILM X-T50 レビュー:まとめ

FUJIFILM X-T50のメリット
  • 小型軽量で扱いやすいカメラ
  • チルト液晶 + EVFを搭載している
  • フィルムシミュレーション専用ダイヤルを搭載
  • 20種類のフィルムシミュレーションを搭載
  • デジタルテレコンでズームできる
  • 最大6.2K(29.97p)の撮影に対応
  • 50〜360Mbpsのビットレート設定が可能
  • ポップアップ式のストロボを内蔵
  • 被写体検出AFに対応している
  • SDカード(UHS-II)に対応した
FUJIFILM X-T50のデメリット
  • メカニカルシャッターが1/4000秒まで
  • 高画素センサーで保存容量が大きくなりがち
  • チルト液晶で動画撮影はしにくい
  • シルバーの塗装が剥げやすい(剥げた)

FUJIFILM X-T50 おすすめな人は

FUJIFILM X-T50はどんな人におすすめかまとめます。

FUJIFILM X-T50 おすすめな人は
  • フィルムシミュレーションに魅力
  • コンパクトで軽量なカメラが欲しい
  • 単焦点レンズをメインに使うなら
  • 富士フイルムのカメラを使ってみたい
  • X-T30以前のモデルからの乗り換え

はじめて富士フイルムのカメラを使う人のはおすすめな気がします。価格は新品で20万円と少し高いですが近年はカメラ全体が高価格になってることを考慮するとまあ適正価格といったところでしょうか。

何よりもAPS-Cセンサーを採用してレンズ含めてコンパクトで軽量なので扱いやすいのが魅力ですし旅行に持っていくカメラとしては最適ですよね。旅行行く時はX-T50をよく持ち出します。(X-E5に乗り換える予定ですが…w)

ズームレンズのXF16-50mmF2.8-4.8 R LM WRと組み合わせでも軽量を維持できますし、RED badgeのXF16-55mmF2.8 R LM WR IIでもこの大きさで使えます。

X-T5とXF16-55mmF2.8 R LM WRがワンサイズ小さくなった感覚で、単焦点レンズと組み合わせれば、よりコンパクトに軽量にカメラを持ち出すことができるのでフットワーク軽く撮影を楽しめます。

フルサイズカメラはたしかに画質や雰囲気は素晴らしいですが、やっぱデカいです。子どもらがいると正直体力が持ちません。しかし、X-T50なら解決できます。これこそがX-T50を選ぶ最大のメリットではないでしょうか。