XF35mmF1.4 Rは2011年に発売された初期のXシリーズを支えた単焦点レンズでのとろけるような艶のあるぼけ味を楽しめるレンズです。

10年経った今もなお愛される富士フイルムのスタンダードレンズとなってるので富士フィルムのミラーレスカメラを手に入れたらぜひ使って欲しい一本です。

ここでは、XF35mmF1.4 Rのデザイン・サイズ・画質・表現力をレビューしています。同じ画角のXF35mmF2 R WRもありますが、全体的な質感はXF35mmF1.4 Rの方が上です。

写真としての雰囲気を重視するならおすすめの1本ですよ。

XF35mmF1.4 Rのスペック・特徴

XF35mmF1.4 Rの特徴
  • Xマウント
  • 焦点距離:35mm(35mm判換算:53mm相当)
  • 画角:44.2°
  • 絞り:F1.4〜F16(7枚円形絞り)
  • レンズ構成:6群8枚(非球面レンズ1枚)
  • 撮影距離範囲:0.8cm〜∞(マクロ 28cm〜2m)
  • フィルター径:ø52mm
  • サイズ:ø65.0mm × 50.4mm
  • 重量:187g
  • 価格:86,900円(実売80,000円)

XF35mmF1.4 Rは焦点距離35mmのXマウントに対応した単焦点レンズ。35mm判換算で53mm相当の画角となっているのでポートレート撮影に最適なレンズとなっています。

開放値F1.4と明るく柔らかくてとろけるボケ味を表現できるのも魅力です。とにかく写真に艶があるというか質感がよく、表現力がスゴイので人物撮影するならこのレンズを使っておけば間違いです。

レンズのデザインはクラシカルなスタイルとなっていますが、一眼スタイルのX-T5X-T4X-T30、レンジファインダースタイルのX-Pro 3、X-E3、X-A7どのボディに合います。

XF35mmF1.4 R レビュー

スタイルも決まってる小型レンズ

XF35mmF1.4 Rの外装は金属製のパーツを採用していますが、防水防塵には非対応なので雨の中の撮影は避けた方がいいでしょう。

絞りリングを搭載していて「A」でオートで絞りを調整してくれますし、それぞれのF値に合わせることでF1.4〜F16まで好みの絞り値で撮影することが可能です。

レンズは6群8枚構成のSUPER EBCフジノンレンズを採用し開放F1.4、フィルター径ø52mmとなっています。

後発のXF35mmF2 R WRと違って一般的な円柱スタイルのレンズなのでどのカメラに装着しても違和感なく安心感のあるレンズといってもいいかもしれないですね。

カメラ接合部分も金属パーツなので信頼性の高いレンズとなっています。

XF35mmF1.4 RはXマウントのミラーレスカメラで使うことができますが、X-T3に装着してみました。

X-T3はボディ内手振れ補正を搭載してないですが、XF35mmF1.4 RはF1.4と明るいレンズなので夜間も問題なく撮影することができます。

もちろん、ボディ内手振れ補正を内蔵しているX-T4X-H1を使うことで、微ブレも抑えることができるのでさらにキレのある写真を撮影することが可能となります。

付属の角形フードを取り付けるとこんな感じのスタイルとなります。キャップが付属してましが、すぐに外れてしまうので役には立ちませんがレンズとの距離があるのでキャップなくても問題はなさそう。

XF35mmF1.4 RはコンパクトなレンズなのでX-T30など小型ボディカメラとの相性もいいです。このサイズ感でX-T3と全く同じクオリティの写真を撮影できるって素敵ですよね。

なお、エントリーボディのX-A7とXF35mmF1.4 Rの組み合わせもいい感じです。

X-A7はベイヤーセンサーを搭載したモデルで画像の色がX-Trancsセンサーと比べて色鮮やかになりすぎます。

とはいえ、クラシッククロームなどのお馴染みのフィルムシミュレーションを設定することもできますし、それなりに使えるカメラになっているのかなと感じます。

オートフォーカスは駆動音がするタイプ

XF35mmF1.4 Rはオートフォーカスの駆動音は大きめでピントを合わせるたびに「ギーコ、ギーコ」と鳴ります。

後発のステッピングモーターを内蔵しているXF35mmF2.0と比べるとうるさくピントの合うスピードも若干遅め。

2011年に発売したレンズなので他のレンズと比べて基本設計が古めですし、じっくり撮影するスタイルに向いているレンズといってもいいのかもしれません。

ただ、X-T5X-T4X-T30など最新ボディで使うと全体的にAFの速度が速くなるので撮影はしやすいですよ。

XF35mmF1.4Rの作例

XF35mmF1.4Rで撮影した作例をいくつか紹介します。こちらはX-T4 + XF35mmF1.4Rの組み合わせで金沢のひがし茶屋街で撮影した写真です。

XF35mmF1.4Rは開放にすることでボケを演出することができるので、手前にあるモノをぼかしてアクセントにするといった使い方ができます。

もちろん、普通に撮影するだけでも単焦点レンズらしいキレのある表現をすることができます。

個人的に35mm(35mm判換算53mm相当)はとても使い勝手の良いレンズとして重宝しています。風景だけでなく部分的に切り取って撮影することもできるので旅レンズとしてはちょうど良い視野角といってもいいかもしれないですね。

XF35mmF1.4RはF1.4と明るいレンズなので天気の悪くて薄暗いところでISO感度を落とすことなく撮影できます。

ここではX-T4のボディ内手ぶれ補正を使って撮影していますが、X-T3などでの手持ち撮影で十分撮影できます。

金沢駅内にある苔を撮影してみました。夕方でかなり薄暗いシチュエーションでしたが、F1.4の開放で苔の部分を高精細に描画しつつ背景をとろとろにぼかすことができます。

X-T4 + XF35mmF1.4Rは表現力というか、質感というか、なんだろう。好き。ライトの逆光のあるシーンでもフレアを抑えつつキレイに撮影することができます。

XF35mmF1.4Rは周辺歪曲の少ない素直なレンズなので、このようなカチッとした構図でも問題なく使うことができます。

ちなみに、このレンズとよく比較されるXF35mmF2.0は糸巻き型歪曲があるのでこのようなキチッとした写真を撮影するのには向いていので、このような写真を撮影することが多いならXF35mmF1.4Rを選ぶのがおすすめです。

ピントの合っているところは解像感があり背景がキレイにぼかすことができます。

普段の何気ない風景をちょっと変えてくれるレンズ。

夜に撮影した睡蓮の蕾にピントを合わせて背景にあるライトをいい感じにぼかすこともできます。解像感が高いのに背景がキレイにボケるって素晴らしい。

明るいところでもと思って、公園を撮影をしてみました。

飲み水場です。XF35mmF1.4Rの開放F1.4だと背景がボケすぎだよなぁ…と感じることがあるので、撮影しながらいい感じの表現ができるポイントを自分で探すのも面白いところ。

明るいレンズの特性を生かしてハイキー調にすることもできます。

標準ズームレンズなど暗めのレンズになるとハイキー気味にするのは難しい(たぶん)ですが、XF35mmF1.4Rなら太陽が出ていれば簡単に飛ばすことができるのがいいところ。

なお、ここでは紹介できませんが子どもの肌の質感も素晴らしい雰囲気で撮影ができます。標準ズームレンズでは得ることが難しい「表現力」をXF35mmF1.4Rを使うことで得ることができますよ。

XF35mmF1.4R レビュー:まとめ

XF35mmF1.4Rは焦点距離35mm(35mm判換算で53mm相当)の画角を持った単焦点レンズです。

XF35mmF1.4Rのメリット
  • レンズサイズが小さくて扱いやすい
  • 35mmはポートレートにちょうど良い画角
  • キレのある写真を撮影できる
  • 豊かなぼけ味を得ることができる
  • 質感の高い表現力の高いレンズ
XF35mmF1.4Rのデメリット
  • オートフォーカスの駆動音が大きい
  • オートフォーカスの速度が少し遅め
  • 防水防塵に対応していない

質感の高いキレのある写真を撮影することができるので、ポートレートに向いているレンズとなっています。子どもの肌の質感、背景のぼけ味など標準ズームレンズでは表現できないよな写真を撮影することができます。

基本設計は古いのでオートフォーカスの駆動音が煩くて速度は遅いですが、表現力・解像感は素晴らしいものを生み出してくれるので、じっくり撮影するには向いているレンズとなっています。