
iPadではじめて「プロ」の名称を手に入れたのがiPad Pro 9.7インチです。2016年3月に発売されたiPad Air 2の実質的な後継モデルでApple PencilとSmart Keyboardに初めて対応したiPadとなっています。
ここでは、iPad Pro 9.7インチ(2016)の外観デザイン、性能、使いやすさをレビューしています。
ちなみに、iPad Proは9.7インチ → iPad Pro 10.5インチ → iPad Pro 11インチ(第1世代)と画面サイズが大きく進化、iPad Proの9.7インチはこのモデルのみとなっています。
- 9.7インチサイズが丁度使いやすい大きさ
- A9X + 2GBメモリで性能がそこそこ高い
- フルラミネーションパネルで画面が見やすい
- Apple Pencilでメモ・イラストが書ける
- Smart Keyboardでタイピング作業が可能
- 4スピーカーオーディオで音質が良い
- 最新のiPadOSに非対応
- バッテリーの減るが少し速い
- 充電速度が遅い
iPad Pro 9.7インチ(2016)の特徴

iPad Pro 9.7インチ(2016)はiPad Air 2の後継モデルとなっていて、9.7インチのディスプレイを搭載したiPadとしてスペックはiPad(第6世代)より高性能なタブレットとなっています。
- 画面サイズ:9.7インチ液晶ディスプレイ
- 解像度:2,048 x 1,536ピクセル(264ppi)
- SoC:A9チップ + M9コプロセッサ
- メモリ:2GB、ストレージ:32GB〜256GB
- 生体認証:ホームボタンTouch ID(指紋)
- リアカメラ:12MP・ƒ/2.2
- インカメラ:5MP・ƒ/2.2
- 通信:Wi-Fi(802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.2
- スピーカー:4スピーカーオーディオ
- 充電ポート:Lightning
- Apple Pencil(第1世代)対応
- Smart Keyboard(9.7インチ専用)対応
- サイズ:240 ×169.5 × 6.1 mm
- 重量:437 g
- iPadOS 16.7まで対応
9.7インチディスプレイを搭載したiPadはiPad Pro 9.7インチとiPad(第6世代)となっています。
iPad(第6世代)の方が世代は新しくA10 Fusionを搭載し、iPad Pro 9.7インチはフルラミネーションディスプレイにグラフィック性能を向上させたA9Xを搭載し、使いやすさはiPad Pro 9.7インチの方が上です。
iPad Pro 9.7インチは販売を終了していますが、イオシスなどで中古で2.5万円前後で購入可能です。iPadOS 16.7までの対応で最新のOSは使えないですがブラウジング程度なら十分使える端末となっています。
iPad Pro 9.7インチ(2016)レビュー
本体デザイン・サイズ
iPad Pro 9.7インチはシルバー・スペースグレイの2色から選べますが、今回レビューしてるのはシルバーとなっています。

iPad Air 2のセルラーモデルはアンテナ部分は樹脂素材となってましたが、iPad Pro 9.7よりiPhone 7と同じくラインによるアンテナラインが採用されています。

樹脂素材のアンテナは見た目が微妙な感じでしたが、iPad Pro 9.7インチ(Wi-Fi + セルラー)のアンテナラインはiPhone 7のようにスタイリッシュなラインに変更されて格好良いスタイルになりました。
iPadを買うならWi-Fiモデルではなくセルラーモデルをおすすめ。WI-Fiモデルよりも20,000円ほど高いですが、どこでも気軽にモバイル回線を使って通信ができるのでホントに便利です。
iPadのWi-Fiモデルとセルラーモデルの違いを比較しています。
Apple SIMを内蔵している
ちなみに、今回のモデルからApple SIMが内蔵していてau、ソフトバンク、AlwaysOnline、GigSkyのプリペイド式データプランに加入することができます。

ただし、Apple SIMから契約できるプリペイド契約は1GBで1,500円と少々高いので普通に格安SIMを使うのがイイでしょう。
とはいえ、SIMカードを入れなくても簡単にモバイル通信を使うことができるので海外に行った時に簡単に現地の通信会社のプリペイドSIMを使うことができるので非常に便利です。
海外旅行で9.7インチのiPad Proは手放すことができない存在になるかもしれません。(その前に海外旅行に10年近く行っていないという問題が…)
カメラは1200万画素にグレードアップ
iPad Pro 9.7インチのリアカメラには1200万画素のイメージセンサーを内蔵したカメラとiPad初となるLEDフラッシュを搭載しています。

iPad Air 2は800万画素だったのが、iPad Pro 9.7は1200万画素に画素数が増えて画質が向上、さらにレンズもf/2.4 → f/2.2に明るく暗い場所でもノイズが少ない写真を撮影できるようになっています。
モデル | iPad Pro 9.7 | iPad Air 2 |
---|---|---|
リアカメラ | 1200万画素 f2.2 4K/30fps 動画撮影 | 800万画素 f2.4 1080p/30fps 動画撮影 |
フロントカメラ | 500万画素 f2/2 | 120万画素 f2.2 |
iPad Pro 9.7のリアカメラの画質はiPhone 7/7 Plusと同等レベルとなっているので、iPadでもそこそこ綺麗な写真を撮影することができるでしょう。
最近はiPadを持って写真を撮影する姿を街中でたまに見かけるようになりましたが、iPhoneよりも画面が大きいiPadで写真撮影をするというニーズが意外と多いということなのかもしれません。
4スピーカーオーディオを搭載
下部にLightningコネクタと4スピーカシステムのスピーカーを搭載しています。

iPad Pro 9.7インチは上部にもスピーカーを搭載しています。

4つのスピーカーを搭載したことで縦持ち、横持ちどちらでもステレオスピーカーによるサウンドを楽しめるようになりました。音質も向上しているのでiPad Air 2よりも迫力なるあるサウンドを楽しむことができます。
Apple Pencilを利用可能に
iPad Pro 9.7インチ(2016)はApple Pencilを使ってイラストを描いたり手書きで字を書くことができます。

iPad Pro(2016)のリフレッシュレートはProMotionテクノロジーには非対応で60Hzとなっており、Apple Pencilの追従性の滑らかさはiPad(第6世代)と同じレベルです。
とはいえ、普通にメモを取ったり、イラストを描くことはできますし、フルラミネーションパネル、反射防止コーティングを採用し光の反射を受けにくく視認性が向上しています。

さらに画面と保護パネルの隙間が狭いのでApple Pencilでペンを走らせた時の描きやすさはiPad Pro 9.7の方が上なので、Apple Pencilを快適に使いたいならiPad(第6世代)よりもiPad Proを選んだ方がいいです。
Smart Keyboardに対応
iPad Pro 9.7インチ(2016)はSmart Keyboard(スマートキーボード)に対応しました。
カバーを兼ねた専用のキーボードとなっており、このように画面を保護することもできるので気軽にiPad Proを持ち運んで作業できます。

キーボード部分はファブリック素材が採用されているのでお茶やコーヒーをこぼしてしまっても壊れてしまうことはありません。

また、タイピング音が非常に静かなので静かな会議の場でも普通に使うことができるのがスマートキーボードの大きなメリットになるのではないでしょうか。
ただし、9.7インチ版のスマートキーボードは本体サイズが小さく現行モデルのiPad Pro 10.5インチやiPad Pro 11インチのスマートキーボードと比較しても小さいのでキーサイズが小さくキーピッチも狭いので使いにくさを感じてしまうかも。
参考までに9.7インチモデルと12.9インチ(第1世代・第2世代)のスマートキーボードの大きさを比較してみました。

9.7インチのスマートキーボードはギリギリまでキーを配置しているので手が小さい方の僕は慣れればある程度は使えます。
フルサイズキーボードより幅が狭いのでにタイピングするときの移動量が少ないので手が疲れにくいというメリットがあり、慣れることができればタイピング速度も上がるので使いやすくなるのかなと思います。
ただし、9.7インチのスマートキーボードはフォトスタンドモードにした時の角度がかなり直角になっているためかなり使い勝手は悪くなっています。

手前に倒れそうで怖い。何よりも角度が付きすぎて見にくい。映画を見るどころじゃないんですよね。なので、フォトスタンドモードで9.7インチのiPad Proを使いたい場合は素直にスマートカバーを(Smart Cover)購入した方がいいかもしれませんね。
iPad Pro 9.7とiPad Air 2の違いと比較
本体デザイン、サイズの違い
iPad Pro 9.7インチ(2016)はiPad Air 2の後継モデルとなっており基本的な仕様は似ていて見た目もほぼ同じとなっています。

本体サイズ、画面サイズとも全く同じなので使いやすさはほぼ同じといっていいでしょう。

iPad Pro 9.7インチはTrue Toneテクノロジーに対応したディスプレイとなっているので、目に優しい画面で作業することができます。
リアカメラの違い
iPad Air 2に搭載されているリアカメラはフラットなタイプiPad Pro 9.7インチモデルに搭載されているリアカメラは立体的なレンズとなっています。また、フラッシュも内蔵しているので暗いところでの撮影がしやすくなっています。

カメラ部分は多少の違いがありますが、ほぼ同じデザインとなっているのでパッと見では違いが分からないのかもしれません。
CPU・GPU性能の違い
iPad Pro 9.7はA9Xプロセッサを搭載しています。これはiPhone 7/7 Plusに搭載されているA9プロセッサのGPU強化版のプロセッサで画面解像度の高いiPad Pro 9.7に合わせて開発されたものとなっています。
iPad Pro 9.7 | iPad Air 2 | |
CPU | A9Xプロセッサ(2コア) | A8Xプロセッサ(3コア) |
GPU | PowerVR Series 7XT(12コア) | PowerVR Series 6XT GXA6850U(8コア) |
RAM | 2GB LPDDR4 | 2GB LPDDR3 |
CPUの性能をGeekbench 4で計測してみました。

モデル | iPad Pro 9.7 | iPad Air 2 |
---|---|---|
シングルコア(CPU) | 3003 | 1844 |
マルチコア(CPU) | 5188 | 4538 |
Metal(GPU) | 17026 | 7885 |
CPUコアの性能が大幅に向上しCPUコアの数が3つから2つに減ってもマルチコアの性能が4538から5188と高速化しています。
コア数が減ってバッテリー消費量も大幅に少なくなって、バッテリー駆動時間が大幅に伸びています。Appleが公式で発表しているバッテリー駆動時間は10時間と同じですが実際のバッテリー駆動時間はiPad Pro 9.7の方が向上しています。
iPad Pro 9.7(2016)レビュー:まとめ

iPad Pro 9.7インチ(2016)はiPad Air 2の筐体を採用したプロモデルとなっていてApple PencilとSmart Keyboardに対応したiPadです。
- 9.7インチサイズが丁度使いやすい大きさ
- A9X + 2GBメモリで性能がそこそこ高い
- フルラミネーションパネルで画面が見やすい
- Apple Pencilでメモ・イラストが書ける
- Smart Keyboardでタイピング作業が可能
- 4スピーカーオーディオで音質が良い
- 最新のiPadOSに非対応
- バッテリーの減るが少し速い
- 充電速度が遅い
9.7インチという画面サイズのタブレットは現行モデルでは廃止されてしまいましたが、タブレットとして使うには使いやすい大きさです。
iPad(第6世代)よりもディスプレイがキレイで見やすく性能が良いのでタブレットとして使うならiPad Pro 9.7インチを選ぶのもアリでしょう。
iPad Pro 9.7インチは2016年3月に発売した3世代前のiPad ProなのでApple Storeでの販売は終了しているますが、「Appleの整備済製品&旧モデル新品」で買えることがあります。
iPad Pro 9.7インチモデルは現行のiPad(第6世代)よりも画面が綺麗で見やすいので動画コンテンツを見たりApple Pencilを使うことが多いならiPad Pro 9.7を選んだ方がいいかも?

12.9インチのiPad Proは12インチのMacBookよりも大きいということが微妙なポイントだったのですが、9.7インチのiPad Proはそれよりも小型です。なのでモバイル性もより高く出先でササっと更新したい時など活躍しそうな予感がしますね。
これは買ってよかった!
iPad Pro 9.7よりも高性能なモデルが欲しいなら現行モデルの10.5インチ、11インチ、12.9インチモデルを選ぶのがおすすめです。2018年モデルはちょっと高いですが2017年モデルならProMotionテクノロジーに対応するなどより快適に作業できます。
→ iPadの比較はこちら
https://sinspace.jp/ipadair-vs-ipadpro-10-5
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