
AppleがM4チップを搭載したMacBook Airの販売を開始しましたが、今回のM4モデルは先代のM3 MacBook Airの筐体をそのままにSoCが「M4」に刷新されて性能が向上したモデルとなります。
しかも、最大2台までの外部モニター出力が可能になって出来ることが増えています。
ここでは、MacBook Air(M4)のスペックを先代のM2、M1モデルと比較しました。M1から乗り換えはとても良いように思うので良いところ、微妙なところをまとめました。
MacBook Airシリーズのスペック比較
MacBook Airシリーズのスペックを比較しました。

機種 | M4 | M3 | M2 | M1 |
---|---|---|---|---|
サイズ | 13.6インチ 15.3インチ |
13.3インチ | ||
解像度 | 13.6インチ:2,560 × 1,664 15.3インチ:2,880 × 1,864 |
2,560 × 1,600 | ||
画面輝度 | 500ニト | 400ニト | ||
SoC | M4 | M3 | M2 | M1 |
CPU | 10コア | 8コア | 8コア | 8コア |
GPU | 8コア(13インチのみ) 10コア |
7コア 8コア |
||
メモリ | 16GB 24GB 32GB |
8GB 16GB 24GB |
8GB 16GB |
|
ストレージ | 256GB / 512GB / 1TB / 2TB | |||
生体認証 | Touch ID(指紋) | |||
キーボード | 12個のファンクションキー(フルハイト)、4つの矢印キー(逆T字型配列) | 12個のファンクションキー、4つの矢印キー(逆T字型配列) | ||
カメラ | 1080p FaceTime HDカメラ | 720p FaceTime HDカメラ | ||
オーディオ | 4スピーカーサウンドシステム | ステレオスピーカー | ||
ワイヤレス | Wi-Fi 6E Bluetooth 5.3 |
Wi-Fi 6 Bluetooth 5.3 |
Wi-Fi 6 Bluetooth 5.0 |
|
ポート | Thunderbolt / USB 4 ×2 MagSafe 3 |
Thunderbolt / USB 4 ×2 | ||
外部モニター | 6K60Hz:2台 | 6K60Hz:1台 閉じて5K60Hz:2台 |
6K60Hz:1台 | |
バッテリー | 53.8Wh | 13.6インチ:52.6Wh 15.3インチ:66.5Wh |
49.5Wh | |
サイズ | 13.6インチ:304.1 × 215 × 11.3 mm 15.3インチ:340.4 × 237.6 × 11.5 mm |
304.1 × 212.4 × 4.1~16.1 mm | ||
重量 | 13.6インチ:1.24 kg 15.3インチ:1.51 kg |
1.29 kg | ||
価格 | 164,800円〜 | 148,800円〜 | 販売終了(134,800円〜) | |
整備済 | – | 137,800円〜 | 125,800円〜 | 106,800円〜 |
MacBook Air M4の良いところ
MacBook Air(M4)は先代の仕様を引き継ぎ強化したモデルなのでM3から乗り換えは微妙ですがM1からの乗り換えは性能が向上し使い勝手も良くなるのでアリです。
13インチと15インチの二つのサイズ
MacBook Air(M4)の画面サイズはM1モデルの13.3インチから13.6インチに画面サイズが大きいです。筐体は同サイズを維持してベゼルの幅を狭くすることで実現してるためサイズ感を変えることなく大画面を持ち出せます。

端末重量も 1.29kg → 1.24kg と軽くなってるので扱いやすくなります。
さらに、MacBook Air(M4)は先代の同様に15.3インチ、13.6インチの二つのモデルから選べます。

今までの13インチの画面サイズだと小さいと感じていたなら15インチモデルを選んで大画面で効率良く作業ができます。とくにデザイン作業をしてると13インチモデルだと小さいと感じるので作業効率を求めるならおすすめです。
M4を搭載して性能がさらに向上した
SoC(システムオンチップ)がMacBook Pro 14インチと同じM4チップを搭載して性能が向上しました。

M1モデルと比較して最大2倍性能が向上しています。
SoC | M4 | M3 | M2 | M1 |
---|---|---|---|---|
CPU | 10コア 高性能6+高効率4 4.4 GHz ARMv9.2-A |
8コア 高性能4+高効率4 4.05 GHz ARMv9-A |
8コア 高性能4+高効率4 3.49 GHz ARMv8.6A |
8コア 高性能4+高効率4 3.2 GHz ARMv8.6A |
GPU | 8コア 10コア ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング、メッシュシェーダー、Dynamic Caching |
8コア 10コア |
7コア 8コア |
|
Neural Engine | 16コア 38兆/秒 |
16コア 18兆/秒 |
16コ 15.8兆/秒 |
16コア 11兆/秒 |
メモリ | 16GB 24GB 32GB LPDDR5X |
8GB 16GB 24GB LPDDR5 |
8GB 16GB LPDDR4X |
|
ストレージ | 256GB / 512GB / 1TB / 2TB | |||
プロセス | 3nm | 3nm | 5nm | 5nm |
トランジスタ数 | 280億個 | 250億個 | 200億個 | 160億個 |
M4/M3はGPUが大幅に強化されていてハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング、ハードウェアメッシュシェーダーに対応し負荷のかかる光表現をハードウェアで処理可能になり性能が向上しています。
さらにDynamic CachingによってGPUのメモリ割り当てを動的に最適に配置できるようになって効率よくメモリを使ってトータルのグラフィック性能を高めています。

例えば、Appleの公式データによるとBlender 4.1.0で47.1MBの3Dシーンをレンダリングしてテストした結果としてM3はM1よりも5.8倍も速くレンダリングが完了します。

M2と比べても5倍近く処理性能が高速化してるのは新しく採用されたGPUの仕組みが大きく寄与しているのでしょう。
ゲームのパフォーマンスもM1からM4でも1.6倍高速化しています。

グラフィック周りの性能がM4/M3になることで一気に向上するので3DレンダリングすることがあるならM4/M3の恩恵を受けることができるはずです。


普段の使用においては大きな差を感じることは少ないですが、動画編集においてはM1 → M2またはM3/M4になることで安定した編集作業が可能になり編集パフォーマンスを上げることができます。
Geekbench 6でスコアを比較しました。(M3はMacBook Pro 14インチの10GPUを代用しています。)

M1 → M3でCPU(シングルコア)が(2364 → 3186)と35%ほど向上、(マルチコア)が(8542 → 12000)と40%向上しています。
GPUも全体的に処理性能が向上しハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング、ハードウェアメッシュシェーダー、Dynamic Cachingの相乗効果もあり特定のシーンにおいて数値以上の性能向上が期待できます。
また、M4/ M3 / M2はメディアエンジンが強化されてハードウェアアクセラレーテッドH.264、HEVCだけでなくProRes、ProRes RAWにも対応しています。iPhone 15 Proで撮影したProRes動画をストレスなく編集できるだけでなくM3はAV1デコードエンジンを搭載し低電力で動画視聴が可能です。
メモリ or ストレージ増設で10GPUになる
MacBook Air(M4)のM4チップは(8CPU + 8GPU)と(8CPU + 10GPU)があり追加費用15,000円で上位版の(8CPU + 10GPU)にできますが…

メモリを「24GB」にすることで自動的に上位版のM3(8CPU + 10GPU)の構成に変更してくれる気前の良さです。メモリではなくストレージを増設してもM4(8CPU + 10GPU)にしてくれます。

同じくM4を搭載のiMac 24インチは同じようにメモリを24GBにしてもSoCを強化してくれないのでMacBook Airならではの構成となっています。(M4だけでなくM3/M2モデルも現在の構成だとアップデートしてくれます。)
閉じて画面出力が2台接続に対応
M2モデルまでは外部モニターの出力台数は1台に制限されてましたが、MacBook Air(M3)はクラムシェルモード(画面を閉じる)にすることで最大2台の5Kモニターの出力が可能です。

さらに、M4モデルは画面を開いた状態でも最大2台の6Kモニターの出力が可能です。つまり、Studio Displayの2台運用ができるってことです。お金が足りません。MaBook Airなのに一気に強くなった感がありますね。
キートップが薄くてタイピングしやすく
M2以降のモデルのキーボードは12個のファンクションキー(フルハイト)で作業効率が向上するだけでなくキートップの高さが低く安定したタイピングが可能です。

M1よりもM2以降ののキーボードのキートップの厚みが薄くなってるのがわかります。M3モデルは実機確認できてないですがおそらくM2と同じでタイピングの安定性はM1から乗り換えで向上するでしょう。
M2からの乗り換えだと違いはなさそうです。
4スピーカーステレオで音質が良い
M1モデルはステレオスピーカーを搭載していますが、M4/M3/M2モデルは4スピーカーステレオシステムを搭載しています。

ヒンジ部分にスピーカーの穴が空いてるのでクラムシェルモードにしても音が篭ることなく視聴できるのもM3、M2モデルの魅力となります。
マイク性能が向上する
MacBook Airは「指向性ビームフォーミングを持つ3マイクアレイ」を搭載しスペック上はどのモデルも同じです。
ただ、M4/M3モデルは「声を分離」と「ワイドスペクトル」のマイクモードによりクリアなオーディオ通話とビデオ通話が可能になります。
Wi-Fi 6Eに対応した
MacBook Airは6GHz帯域で通信ができるWi-Fi 6Eに対応し大容量のデータをより素早くダウンロード、アップロードすることができます。
Wi-Fi 6Eに対応してるルーターを使ってるなら欲しい機能なのでMacBook Air(M4/M3)で対応したのは嬉しいところはないでしょうか。
MagSafe充電に対応している
MacBook AirはM4/M3/M2モデルがマグネットタイプのMagSafe充電に対応しています。

MagSafeは電源ケーブルを足で引っ掛けたとしてもコネクタが本体を引っ張ることなく外れてくれるので吹き飛ぶ心配がなく安心です。
また、USB-Cポートを潰すことなく充電できるので少ないポートを効率よく使えるのは助かります。
本体カラーが豊富で楽しい
MacBook Air(M3)と(M2)は本体カラーがミッドナイト、スターライト、スペースグレイ、シルバーの4色から選べます。

ミッドナイトは指紋の付着が気になりましたが、M3モデルは指紋の付着を減らす画期的な酸化皮膜シールを採用で指紋が付きにくくなっています。
また、M4はスペースグレーが廃止となってスカイブルーが追加されてます。

MacBook Air(M4)は今までにないような爽やかな色が追加されてるのはいいですね。
価格が先代から据え置き
MacBook Air(M4)は先代(M3/M2)から価格据え置きの164,800円です。2年前よりも円安が進んでいるのに据え置きの164,800円です。
学生・教職員価格では133,800円からです。Appleさん、ありがとう。
MacBook | Air M4/M3 | Air M2 | Air M1 | ||
---|---|---|---|---|---|
サイズ | 13インチ | 15インチ | 13インチ | 15インチ | 13インチ |
256GB | 164,800円 | 198,800円 | 148,800円 | 販売終了 | 販売終了 |
512GB | 194,800円 | 228,800円 | 178,800円 | 販売終了 | 販売終了 |
1TB | 224,800円 | 258,800円 | 208,800円 | 販売終了 | 販売終了 |
2TB | 284,800円 | 318,800円 | 268,800円 | 販売終了 | 販売終了 |
メモリ増設 | +30,000円 | +30,000円 | – | – |
なお、M3、M2、M1モデルは整備済製品で購入できることがあります。
MacBook | Air M3 | Air M2 | Air M1 | ||
---|---|---|---|---|---|
サイズ | 13インチ | 15インチ | 13インチ | 15インチ | 13インチ |
256GB | 124,800円 | – | 125,800円 | – | 106,800円 |
512GB | – | – | 150,800円 | 180,800円 | 132,800円 |
1TB | – | – | 176,800円 | – | 152,800円 |
2TB | – | – | – | – | 189,800円 |
MacBook Air(M2)は継続販売されてますが整備済製品で通常価格よりも2万円ほど安く買えるので、整備済製品に抵抗ないなら整備済を選ぶのがおすすめです。
MacBook Air M4の注意点
標準モデルはメモリとストレージが少ない
MacBook AirシリーズはエントリーモデルなのでProモデルよりは安いですがメモリが16GB、ストレージが256GBを基本構成としています。
M3モデル(後期)から16GBメモリが標準となったので基本的に最小構成もで問題なく快適に使えますが、「MacBookで何をするか?」にもよりますが標準構成で3〜4年使う場合はストレージ容量が256GBだと少ないです。
とくにデザイン制作や動画編集をするなら最適でもメモリ16GB、ストレージ512GBは欲しいところ。
つまり、MacBook Air(M3)は164,800円から買えますが実際は194,800円ほどは費用が必要なので意外と高くなってしまうのが悩ましいところです。
端末右にUSB-Cポートがない
M3モデルだからというわけではなくMacBook Airは全モデルが右側にUSB-Cポートを搭載していません。

なので、テーブルの右側からしか電源が取れなかったりモニターのケーブルがない場合は取り回しがしにくいことがあるので、ここが少し使いにくいポイントとなってしまいます。
SDカードスロットが非搭載
また、MacBook AirシリーズはSDカードスロットを搭載してないので外付けのSDカードリーダーが必要になるなど、カメラからデータを取り込むのに少し手間がかかってしまいます。

もし、SDカードのデータを取り込むことが多いなら別でドッキングステーションを追加するかSDカードスロットを搭載してるMacBook Pro 14インチを使うのがいいです。

UHS-II対応のSDカードを使って素早くデータを取り込むことができます。
→ MacBook Pro 14インチ(M3)を詳しく
→ MacBook Pro 14インチ(M2 Pro)を詳しく
ファンを内蔵していない
MacBook Airシリーズはファンを内蔵せずに放熱板のみでSoCの熱を放熱しています。
基本的にファンがなくても問題なく動作しますが、負荷のかかる作業をすると熱による性能低下が懸念されます。
ただ、今までMacBook Airシリーズを使っていて内蔵ファンがないから性能が著しく低下したことがない(気づかないレベル?)のであまり気にしなくても良さそうです。
MacBoo Air(M4)いいのでは?

2025年モデルのMacBoo AirはM4チップを搭載してGPUの性能、効率が向上するので3Dレンダリングをするなら乗り換えるメリットは大きそうですね。
外部モニター2台出力ができますし、先代モデルよりも拡張性は高いですし幅広いシーンで使えるのはいいですよ。何よりも円安が進んでる中で価格据え置きの164,800円なのはいいですね。
多く人は最小構成でも問題ないですが動画編集などするならストレージを512GBに増やすのがおすすめ。上位版のM4(8CPU・10GPU)にアップグレードしてくれるのもコスパは良くなった気がします。
M2からの乗り換えは微妙ですが2020年のMacBook Air(M1)から乗り換えるなら良き選択肢になるのではないでしょうか。
→ MacBook Pro 14インチ・16インチはこちら
→ MacBookの比較はこちら
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